久々のベットがふんわりと柔らかだ。明け方、少し寒くなったので戸棚から掛け蒲団を出して掛けた。朝ごはんものんびりと食べて砂漠探検隊からオアシスの観光客に気分を切り替えた。
ウイグルの農家を訪問することになった。バスで30分ほど、昨日歩いた道を戻った。ちょっと横道に入りバスは止まった。道路脇には水路があってきれいな水がサラサラと流れている。日干しレンガの土壁の塀、入口には木の扉が付いた新しい家だ。長いコートを羽織ったご主人が入口に立ち、手を胸に当てて出迎えてくれた。最大級の出迎えの姿だ。
新築4年目の家だという。全て自分たちの力で建てたという。30畳ほどもある広い居間の床は土を固めて作ってあった。健康にいいのだと言う。居間の天井は皮を剥いだ白いポプラの木で葺かれていた。この天井を作るのに25日かかったという。土間の両側に70cmくらいの高さの座台が作られていた。その片隅には収穫した綿の実が無造作に積み上げられていた。
綿花畑と果樹園、そして羊飼いで生計を立てているという。年収は2万元、この村の平均的な家だと主人は笑っていたが、かなりの家なのだろう。主人、奥さん、息子、嫁と孫、娘もいた。一人の娘は公安に勤めていると言う。居間でフルーツが振舞われた。ブドウ、スイカ、ナシ、ナツメなどだ。大きな布がテーブル代わり。花柄模様のきれいな織物だった。新しいのだろうか、染料の匂いが鼻をくすぐった。
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廊下となる通路には水の設備があった。個人の部屋が5つほどあった。娘さんの部屋には公安の制服制帽が整然と並び、壁にはスターのプロマイドがいっぱい張られていて、いかにも独身の娘の部屋という雰囲気だった。
家具は少なく、テレビ、冷蔵庫、茶だんすくらい、壁際にはごく当たり前のお茶の道具も並んでいた。
果樹園も案内してくれた。ブドウ、ナツメ、ナシが実をつけていた。自由に食べてくださいということで小枝に手を伸ばし、熟れた果物を腹いっぱい食べさせてもらった。ブドウは枝で干しブドウになってしまったものも、それもなかなかの味だった。
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昼ごはんの後は古城跡見物だったが、残ってバザール見物に出かけ、昨日と同じ店でシシカバブを食べ、ビールで喉を潤した。店の人たちの写真を撮ると大喜び、特にデジカメが大人気、おばあさんなどはカメラごとよこせとがんばった。
古城見物の人たちが時間になっても戻らない。腹減ったとブツブツいう者もいた。先に飯にしようという意見もあったが、あと15分だけ、20分だけといっているうちに電話連絡があり、夜はいつもより1時間も遅れてしまった。みんなのグウタレ節を肴にして、ちょっと冷めた料理、生温かなビールで晩ごはんを食べた。
夜の町に出た。買うものもない。本屋に行ったらもう終わっていた。町の一角に人だかりがある。街頭カラーテレビである。20年代後半の「力道山現象」を思い出した。大人も、子どもたちも夢中だ。