2001年 第2次西域南道探検隊 "らくだの旅"日記


記 長谷川 進


10月1日(月) 国慶節



 
国慶節。中国の建国記念日である。1949年10月1日、人民大会堂のバルコニーで毛沢東が中華人民共和国の建国を宣言してから毎年この日を祝ってきた。建国からもう52年になる。今日の中国隊の出席者で最初の建国の日を知っているのは何人だろうか。みんな若い人ばかりだ。

 朝9時、中国国旗の掲揚に始り、国歌斉唱、南隊長の挨拶。「民族のさらなる繁栄を……」と手短に話していた。中国隊も、日本隊も整然とならび南中国隊隊長の話を静聴した。そして中国国旗と共に日の丸もトラックの上に高々と上げて中日友好のシンボルとした。


 女性と日本隊幹部が中国隊のテントに招待され、男女ともウイグル帽子をプレゼントされ、女性隊員は返礼にお抹茶をたてた。太陽が直射する所はキリキリするほど暑いが、木陰いや木はないのだ、車の陰に入るとヒンヤリと涼しい。相曽さんのアルゼンチン・ペルー談義。「人をみたら泥棒と思え……」などなど楽しい話を聞き、矢野さん主催のゴルフのサンドウェッジによるニアピン大会などで遊び、午前11時に朝食となった。


 今夜は国慶節と仲秋の明月のお祝いがダブルで行われる。カースンの親方がシシカバブ用にと、見事なナイフさばきで羊を2頭屠殺した。3羽のにわとりは明日の命も知らぬまま、のんきに残飯をついばみ、テントの陰でクウクウと昼寝をしていた。

 

 今日は休日、中国隊の若い人たちもトランプをして大騒ぎをしている。なごやかだ。のほほんと砂漠の昼下がりを楽しんだ。夜はキャンプファイヤーだというので、トラックから大きな木を下ろして焚火の準備をした。シシカバブの串は針金を叩いて作っている。カースンが香辛料で味付けした肉を、日本人の有志が串に刺してシシカバブを用意した。
包丁を研いで調理の準備をする厨房の係り、彼らだけは休日がない。ご苦労さま。ありがとう。

 満月が砂漠を照らす。これが水辺ならキラキラと反射してさらにきれいだろうにと思う。焚火に火がつけられた。メラメラと燃え上がる火と満月が明るさを競演する。今夜は、ライトは不用だ。ビール、白酒、紹興酒、ぶどう酒と飲み物もたっぷりとある。13皿のウイグル料理が運ばれた。料理に砂ほこりをかぶせない様にと一方通行の交通整理も出た。

 カースンがシシカバブを焼き、にわとりも1羽、長い棒に刺して焚火で丸焼きにした。満月のお祝いは中国名菓"月餅"だった。かなり酔っ払ったものもいた。中国隊と日本隊の歌合戦も始った。旅行社の社長のオペラ、長谷川の「浜辺の歌」などもうけたようだ。ほんとうに楽しい一日だった。

 最後は酔っ払いをテントに担ぎ込んで無事終了となった。大きな焚火の跡は砂を小山のように盛り上げて隠し、自然の姿を取り戻す努力は忘れなかった。



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