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ウルムチ観光。バザールは10時半では早すぎる。3度目の見物だが、今日が一番静かだ。なにしろまだ開店していない店もたくさんなのだから。果物・干し果物・漢方薬・金属細工・衣類・帽子・ウイグルナイフ・アンティークと相変わらずの店構え、だが、ほとんどがみやげ物屋風になっていて、ホータンのあの喧燥、あの生き生きとした生活感溢れる活気を感じることは出来なかった。
ウルムチ博物館は大改装をしていた。前2度の訪問では大きな薄暗い部屋の中で、壊れそうなショーケースに入れられ、粗末に扱われていて、あの有名な楼蘭美人がと、なんともかわいそうな姿だったが、今回は仮設ではあるがきれいに飾られ、学芸員も日本語で説明してくれて、美人ミイラが一層美しく輝い
て見えた。
ほどよい光線の中で見ると楼蘭美人は顔の色がずいぶん黒かった。これは生前に薬を使ったためだと説明された。4000年の歳月は、光線のない中で変化なく過したが掘り出され、年を経るに従い黒くなってきたのだという。日本で公開されたときはもう少し色白で美しかったと学芸員は話していた。
3600年前、3000年前とミイラたちは気の遠くなるような年月を通り越してきたのだ。その埋葬品も技術水準が高く、保存状態もよく、ただ感心するばかりだった。
ウルムチを飛び立った飛行機は雲を下に従えて北京に向けて順調に進んだ。北京空港は大雨だった。雨の少ない北京の空は、乾燥地帯でカラカラになっていた私たちの肌をシツトリと湿らせてくれた。
北京はブルッとするほど寒かった。この寒波は、熱砂に焼かれた砂漠生活と惜別するのにちょうどよかったのかもしれない。エンジュ、イチョウという並木は黄ばんだ葉をチラチラと散らし始めていた。並木越しの北京の夜景がきれいに輝いて見えた。1ヵ月の砂漠生活のうちにすっかり秋は深まっていたのだ。胡楊の黄葉も落ち始めているかもしれない。
鬼街という飲食店街の広東料理店で食事をした。ウイグル料理に慣れた口には、その味付けはあまりにもあっさりし過ぎていた。この店の客は80%が日本人だとか、そのせいもあるのかもしれない。56度というとてつもなくアルコール度の高い高粱焼酎がサービスについた。その度数の高さにひかれてお土産に買うことにした。4本1000円、安いのか高いのかよく分からない。その他に石で出来た急須と茶碗のセットを係りの女性が盛んに勧めていた。高血圧などなどどんな病気も吹っ飛ぶというすごい効能書だった。
平成の遣唐使で仲良しになった中国人女性二人に電話をした。施晃(セビン)さん、張穎慧さんの元気な声が響いてきた。明日の3時に王府井のマクドナルドの前で待ち合わせだ。