2001年 第2次西域南道探検隊 総括


第2次西域南道探検隊隊長 高野 直明


第2次西域南道探検を終えて


1.企画

 平成7年秋頃、藤原会員ら仲間から「また、ラクダに乗りたいな」との声がかかり、平成8年5月高柳会長が素案を作成し関係者へ送付したが、会長は業務が更に忙しくなり、計画を長澤前事務局長と高野が引き継ぎ、現実的な諸数字や実態確認を中国の陽明氏に打診しながら12年2月に基本計画を仕上げました。


2.準備会

12年3月の定例会で基本計画を発表し、5月より準備会を発足。会長や飯塚、湯口、見延の各氏をはじめ7名で毎月集まり対外発表を考慮した企画書を作成。プレスリリースや説明会の準備にワイワイがやがやと議論を重ねました。


3.説明会から定例会へ

 平成13年1月21日東京都大塚を第1回として、東京都中央区八丁掘、埼玉県さいたま市と3回の説明会を実施、総勢107名が参加。大塚会場は300席に対し前日の降雪もあって一般参加者は0に近かったが、新聞の地方版で取り上げられたおかげで以後盛況でした。マスコミ、特に朝日新聞記事のシルクロードに対する影響力の大きさが印象的でした。平成13年3月に開催した第1回の定例会から本格的な詳細検討となりました。


4.事前調査隊の派遣

 平成13年4月から5月にかけ、現地へ見延、高橋、岡部、川嶋の各氏そして高野の5名で現地事前調査を実施。黒嵐と悪路で予定は大幅に変更しながらも、人民日報社、コルラ旅行社、チャリクリク小学校などを訪問し、秋に来る本隊への協力を要請しました。

 一方、調教済ラクダ数確保の難しさや気象現象の悪さに対する準備を強化をしなければならないことが判りました。


5. 「第二次西域南道探検隊」遠征へ

 素案を作成してから5年を経て「第二次西域南道探検隊」は38名の男女が参加し台風の本土直撃と米国テロの平成13年9月11日に成田を発ち、30日間で第一次隊の終点チャリクリクから西のホータンまで950キロをラクダ班と徒歩班2班に分け踏破しました。

 ラクダは2人に1頭、そして徒歩班は約30キロ/日。徒歩とラクダを日々交互に行いながら沙漠やブッシュの多いタクラマカン沙漠の雄大さを満喫しました。

 安全第一で進みましたが、運悪く1名がラクダから落ち、脊髄圧迫骨折という大きなダメージを受け、急遽臨時便でチェルチェン→ウルムチ→北京→国内へ移送するというトラブルが発生し、被災者を始め関係者に迷惑をかけしてしまいました。


6.遠征後の活動

 遠征された多くの人達はそれぞれ自分の地域や社会なかでラクダキャラバンの経験を基に活動を強め写真展や講話をされました。写真展は地域の参加者が中心になって企画運営され埼玉県戸田市、同さいたま市、杉並区、足立区、浦安市、柏市、長野市と多くの場所で開催され、シルクロードへの共感を得ました。

 また、小学校の課外活動の一環としてシルクロードの魅力を生徒に話し、子供達の輝く瞳に感銘を受けた方もいたり、更に思いでの発刊に打ちこんでいる仲間もいます。


7.遠征を終えて

(1)昔のキャラバンの再現を目指しましたが、38名の隊員に対し26名の現地スタッフは大名旅行の感がありました。これからラクダによるキャラバンは
●現地の道路事情
●騎乗ラクダの確保
●日本人の余暇や冒険心の欠如。
から、隊を組んで、民間人が個人の資格で単なる遊びをすることは困難でしょう。厳しい日本の経済社会の中で、長期遠征には一部の人のみしか参加できないので、多くの普通の人が参加できるよう、有意義な長期休暇取得制度の実現を社会にアッピールしていきたいと思います。

 また参加者が高年齢のなかで、安全で有意義な旅は「のんびりシルクロード」的な方向を志向せざるをえないでしょう。

(2)計画時点から自然環境保護を考慮し、沙漠での飲料水についてはペットボトルを止め沸騰水に限定したり、生活ゴミを毎日焼却・埋め戻しをしました。皆様の協力を得たおかげで中国スタッフも驚くほどキャンプ地にゴミは残しませんでした。

(3) 各班の活動
●総務班
日常生活やイベントなど毎日が緊張の連続で、班長をはじめ班員は国内、国外とも大活躍でした。

●衛生班
隊員カルテや必要医薬品の選定と苦労し、中国では現地医師と連携をはかりつつも、体調不良者続出で班長がダウン寸前という状態まで行ってしまいました。

●記録班
企画が重要なビデオ、写真そして報告集作成も、チームワーク良く沙漠での現場をこなし、帰国後は更に多忙な活動で隊の活動結果を世に送り出してくださいました。

●緊急事故対応班
事前の準備を色々しましたが、高柳会長をはじめ留守部隊のみなさんは本隊遠征中旅行や外出を控え目にされたお陰でトラブルは一部の対応で済みました。


(4)参加者には
・目的を持つ。
・自分のことは自分でする。
・日中相互理解や協力ができる。
という3つの約束をお願いしましたが、ほぼ達成できたと思います。


(5)これからも、健康そして家族や職場の理解のもと活動が続けられるよう、普段から「地球と話す会」で情報交換をしていくことが良いでしょう。

最後に、お世話になった皆さんへ 大きな夢をありがとうございました。


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